神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

図書館

帝国図書館と美少年の妖しい関係

お盆は皆さん実家に帰るか、旅行に行くか、はたまた古本市に行く人ばかりかと思いきや、意外に国会図書館に行く人が多いらしい。地方から調査に行く研究者や学生だろうか。さて、国会図書館の前身の帝国図書館を若き日の荻原井泉水が利用していた。そこで、…

京都帝国大学附属図書館の金井浩は実在したか

福田與『満天の星を仰ぎて:自伝』(福田図書室、昭和61年10月)に京大図書館の金井浩という人物が出てくる。 ところが、私のうちはこの頃から妙に来客が多くなってきました。まず宮崎童安先生及び高田集蔵先生、そして先生をめぐる多くの知友が京都を訪れる…

上野の図書館は今日も満員だった(´・ω・`)

閉鎖中のブログ「書物蔵」2016年11月23日のエントリーは「帝国図書館が満員になり始めたのは、1907年前後から」。そこでは、『書物往来』3年2号、大正15年2月掲載の「帝国図書館問題」(無署名)が引用されている。 帝国図書館の満員続きは昨今始まつた事では…

上田貞次郎が作った『南葵文庫洋書目録』は今いずこ?

『上田貞次郎日記ーー明治二十五年ー三十七年ーー』(上田貞次郎日記刊行会、昭和40年5月)を見てたら図書館ネタ。もっとも、既に言及した論文はありそうだ。 (明治三十五年四月) 二十七日 南葵文庫にて学生招待会(酔)(略) (同年七月) 十五日 火 南葵文庫にて…

寺町今出川の宮崎書店が始めた平安巡回文庫

伊良子清白の日記*1にはもう一つ図書館ネタかと思われるものがある。 (大正七年) 十二月二十四日 火曜(略)今出川寺町の宮崎書籍店にいたり平安巡回文庫のことを尋ね(略) 十二月二十八日 土曜(略)平安巡回文庫より左記の雑誌を閲覧することゝす 日本及日本人…

伊良子清白が羊頭狗肉と酷評した大阪府立中之島図書館

『図書』(岩波書店)6月号に伊良子清白の孫伊良子序氏が「詩人清白の流離と純化ーー生誕百四十年と新出日記ーー」を書いておられる。それによると、『伊良子清白全集』2巻には25年分の日記のうち8年分が収録されたが、その後新たに8年分が発見され、解読中で…

昭和三年全国古本屋・見立番付

読売新聞昭和3年7月14日朝刊に「昭和三年全国古本屋・見立番付ーー公募入選佳作(但本社図書室校訂)ーー」が載っている。東方は、 横綱 東京 文求堂 大関 東京 浅倉屋 張出大関 東京 村口 小結 東京 琳琅閣 前頭 東京 南陽堂、東京 一誠堂、東京 巌松堂、東京…

松原成信と水谷星之介(和夫)の同人雑誌『憧憬』

グーグルブックスによると、松原成信と水谷星之介が『滋賀県史 昭和篇』6巻(滋賀県、昭和60年3月)に出てくるらしい。早速見てみると、 蒲生郡金田村(現近江八幡市)の松原成信は、水谷星之介と共に、総合文芸誌、『憧憬』を発刊、一〇号まで続いたが、戦時下…

東京予防拘禁所旧蔵、岡崎文規『印度の民俗と生活』

知恩寺秋の古本まつりだ。林哲夫氏ほどは凄い本が拾えてないが、100円均一コーナーでそこそこ拾い物はあった。本書は、その100円均一コーナーではなく、津田書店で400円。千倉書房から昭和17年8月発行。普通ならタダでもいらない本だが、扉に「東京豫防拘禁…

寸葉会で『温知図書館図書目録』(温知図書館)を

250円で見つけた図書目録。と言っても冊子ではなく、縦23cm、横61cmの一枚物。温知図書館は名古屋市東区蒲焼町四丁目の東洋倶楽部内に所在。発行年の記載はないが、「温知図書館新刊図書紹介(大正四年七月)」として36冊挙げているので、同年中の発行か。新刊…

財団法人佐藤新興生活館生活図書館旧蔵の仏教社会学院編『新興類似宗教批判』

東京古書会館の何展で買ったか不明だが、水平書館の千円の値札が残っている。大東出版社から昭和11年2月発行。 目次は、 新興宗教批判 椎尾弁匡 邪教は何故繁盛するか 高島米峰 擬似宗教は人心を□毒す 加藤咄堂 謂る邪教の教学的批判 石津照璽 精神病学から…

昭和図書館の古書展に通う住谷悦治と絲屋寿雄

誰ぞと昭和図書館の噂をしてたらキター\(^o^)/ 臨川書店のバーゲンで100円だった『春風秋雨ーー住谷(桔梗)よし江の八十六歳誕生日にーー』(住谷悦治、昭和51年11月)の絲屋寿雄「万歳(まんざい)ーー京都へ来られたころーー」に出てきたのだ。 今から四十年…

国際政経学会常務理事増田正雄の敗戦前後

「戦時下のユダヤ研究会と丸山敏雄の日記」で紹介したユダヤ研究会と丸山の関係は、昭和19年から始まっている。『丸山敏雄全集』17巻(倫理研究所、昭和54年5月)に次のようにある。 (昭和十九年) 五月六日(土)猶太研究会 (略) 午後一時より読売五階講堂にて山…

下鴨納涼古本まつりで拾った『現代婦人就職案内』(婦女界社、大正14年3月)

下鴨納涼古本まつりで100円。どの店だったかは不明。「日本の古本屋」では4500円。『婦女界』31巻3号の附録で、編輯兼発行兼印刷人は、都河竜。 目次は、 □新たに就職する方々の為めに □婦人の天分を発揮すべき職業 女医、歯科医、看護婦、助産婦、薬剤師、…

南多摩農村図書館旧蔵の植村長三郎『書誌学辞典』

天地書房で購入した植村長三郎『書誌学辞典』(教育図書、昭和17年8月)。背表紙に「南多摩農村図書館保管/海老原蔵書/第6門/1501号」のラベル。扉にも同様の記載のラベルがあるが、「第7門」になっている。独自の図書分類だろうか。 浪江虔『図書館運動五…

浪江虔の弟板谷敞もアジア復興レオナルド・ダ・ヴィンチ展覧会を見ていた

昭和17年上野で開催されたアジア復興レオナルド・ダ・ヴィンチ展覧会については、「まだまだあったスメラ学塾関係論文」などで紹介したところである。私の調査により天羽英二、大蔵公望、斎藤茂吉、高松宮、中野重治が観覧したことが判明しているが、『浪江…

宮田昌明『西田天香』(ミネルヴァ書房)に日ユ同祖論

山科にある一燈園の西田天香については、『天華香洞録』に村井弦斎のタラコン湯が出てくることを紹介したことがある*1。しかし、西田そのものについては、真っ当すぎて面白くなさそうだと思って、伝記を読んだりはしてこなかった。今回、ミネルヴァ日本評伝…

倉紡図書館の笠原史苑林

兼田麗子『大原孫三郎ーー善意と戦略の経営者』(中公新書、2012年12月)によると、孫三郎の明治36年1月24日の日記に、倉敷の民衆のための公会堂、図書館、公衆運動場の設置計画が記されているという。図書館については、 「図書館 図書館設立は人物吸収の良法…

福家崇洋『満川亀太郎』で野波静雄に再会

古本にうつつを抜かし、新刊は中々読めないが、只今はミネルヴァ日本評伝選の上記を。 野波静雄という人物については、「野波静雄と下中弥三郎」、「世界的大旅行家としての野波静雄」などで紹介したが、本書で再会。 大亜細亜協会の前身は従来「汎アジア学…

大東亜文庫とは何ぞや

以前「新潟県立図書館の大東亜文庫」で話題にした大東亜文庫。出典を書き忘れていて、わしもどこで見たか忘れてたが、ようやく判明した。荘司徳太郎・清水文吉編著『資料年表日配時代史 現代出版流通の原点』(出版ニュース社、昭和55年10月)第3部年表の「…

『1952・読書週間内外優良図書展・現代名家秘蔵珍稀本展出品目録』(1952年11月)

1952年11月7日から12日まで読書週間実行委員会主催により日本橋三越で開催された展覧会の目録。昨年東京古書会館であきつ書店出品200円。珍稀本出品者は、 反町茂雄 植田秀 松下英麿 内藤政勝 関野準一郎 斎藤昌三 山宮允 江島伊兵衛 小倉重勝 浜田徳太郎 庄…

図書研究会々員だった?須田国太郎

金沢文圃閣から復刻中の『内務省納本月報』。当初は『ブック・レビュー』というタイトルで大正15年11月創刊。発行所である図書研究会の会員名簿を見てたら、昭和2年1月号掲載の「図書研究会々員名簿(其三)」に「須田国太郎(京都)」とあった。同名の画家…

中井書房で北原白秋『作曲白秋国民歌謡集』(改造文庫、昭和4年10月)を

店の東西を水明洞1号店と2号店に挟まれていた中井書房も水明洞が閉店して寂しいこの頃である。もっとも、西側にうどん屋が入った。で、中井書房で上記を買いました。500円。表紙に「立命館文庫図書印」、9頁に「立命館文庫支庫図書之印」が押されている。実…

意外と役に立つかも『小田原文芸案内』(小田原文芸愛好会、1989年5月)

昨年神保町古書モールで購入。「つん堂」氏の棚だったと思う。装丁が観光ガイドみたいな感じで、均一台にあっても拾いそうもない本だが、実は前から探していた本である。いくら調べてもわからなかった津田光造の没年が、「津田光造の没年が不明だ」で大竹功…

『倫敦タイムス社寄書』に私立福岡図書館主の書簡

誰ぞの代わりに行った神戸サンボーホールで拾う。明治39年1月倫敦タイムス社東京支社が、「大英百科全書日本講読者より該書の価値と有益なることに付陳述せられし書簡」を編集したもの。和文44頁、英文12頁の和装本。当時大分配ったのか、「日本の古本屋」に…

国立国会図書館職員の追悼文集『おもいで』

昨年南部古書会館で拾う。67頁の小冊子で、1981年9月発行。副題に「×××さん追悼文集」とある。所蔵する図書館は皆無のようだ。亡くなったMさんは、略年譜によると、昭和36年文部省図書館職員養成所卒業後、国会図書館に入館、調査局商工課勤務、10年以上調…

さんちかホールで『児童読物之研究』(葺合教育会児童愛護研究会、大正12年3月)

先日さんちかホールの古本市で300円だったと思う。出遅れて行ったが、関西には図書館、書物関係を集めている人はいないのか、残っていた。東京だったらすぐ消えていただろう。国会図書館にはなく、日本大学が所蔵しているくらいか。 「緒言」によると、神戸…

善行堂で「蒐集家は語る」特集の『科学知識』を

先日善行堂で買った『科学知識』19巻3号(科学知識普及会、昭和14年3月)は、「蒐集家は語る」の小特集があったので購入。均一台で見かけても手に取りそうもないタイトルの雑誌だが、今後は少なくとも表紙の特集名をチェックする必要がある。例えば、「日本…

『精神統一』も『太霊道之教義』も持ってた創刊号コレクター神原甚造

『太霊道』創刊号(宇宙霊学寮、大正6年11月1日初版・同月20日51版)を入手。発行兼編輯人は、伊藤延次。CiNiiで検索すると、香川大学図書館神原文庫と東京大学明治新聞雑誌文庫が創刊号を持っていた。神原文庫って何だっけなあとホームページを見てみると、…

トンカ書店出品の中島健蔵『読書』(朝日新聞社、昭和町27年10月)

昨年神戸のBALであった古本市でトンカ書店から購入。「アサヒ相談室」シリーズの一冊。本の診断法、本の生理学、本の健康法、本のいろいろ、読書のいろいろ、読書案内、空想の書庫、図書館、読んだあとのこと、読書の秋といった、本や読書に関する様々なテー…