神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

古本

町田久成失脚の真相

町田久成については、関秀夫『博物館の誕生―町田久成と東京帝室博物館』(岩波新書)に詳しい。しかし、同書に書かれていない町田に関するネタが三村竹清の日記*1に記されていた。 明治43年1月31日 町田久成氏の不遇となりしはしめは 大久保公の死もさる事な…

左京系オタ

アキバ系オタに対抗して、神保町系オタが存在する。 日本橋がアキバ化して、ポンバシ系オタも出現しているらしい。そうなると、関西版神保町系オタの呼び名が欲しくなる。 大阪には梅田、難波や天神橋筋といった、古本屋が一定まとまった地区もあるが、ここ…

童貞論のパック

岡崎武志氏の書棚には、童貞論の書物がパックされているらしい。 「古本屋の棚から見た新書あれこれ」(『古本生活読本』ちくま文庫、2005年1月)によると、 例えば、私が秘かに目をつけているのが、ちくま新書の押野武志『童貞としての宮沢賢治』、小谷野敦…

均一小僧と類似宗教学者の接近遭遇

再び岡崎武志氏の著作から。 一番よく通ったのが、銀閣寺参道から今出川通りを西進し、京大前から鴨川を越えて、本を質に取ることで知られた「善書堂」周辺までのコース。これらの店では、一時期凝った美術の本や、詩集、文芸書、それに文庫をチビチビ買って…

植草甚一も古川橋の小川書店に通っていた

古川橋の小川書店には、宮本常一や岡本綺堂が通っていたけれど、植草甚一も通っていたようだ。 植草の日記*1によると、 昭和20年4月22日 午後、六本木をぬけ古川橋の小川書店へゆこうとして渋谷ゆきのBusが来たので、渋谷へ出る。 4月27日 本社ゆき。帰途古…

行ったつもりの一箱古本市

退屈男さんが一箱古本市のリンク集(「退屈男と本と街」10月14日分参照)をまとめてくれました。ひたすら、感謝。 過去2回お客として行ったことがある。でも、いつかは店主として参加するのが私の夢。 - 岡崎武志『古本病のかかり方』の次の一節。 読書に飽…

神保町「ワンダーランド」終焉の謎(その2)

わしも書物奉行氏に負けじと、書店のガイドブックを見る。 本の探偵団編『最新版・本を探す本』(フットワーク出版、1997年5月)によると、「ワンダーランド」は新刊書店に分類されていて、 洋書ワンダーランド(洋書/趣味) 神田神保町1−9 大雲堂ビル3…

神保町「ワンダーランド」終焉の謎

「本の街日記」さんの御教示により、蟻二郎の古書店ワンダーランドの閉店年が1999年と判明。同店が営業を開始したの1979年10月、当時早稲田大学第一文学部の二回生で、その後大学院に進み、英米文学を学び、晶文社大好きオジサンとなる(もはや過去形とすべ…

お仕事をしつつ『古書をとりまく視点』を見る

遊んだ後は、お仕事。のつもりが、拾った『古書をとりまく視点』(大阪府古書籍商業協同組合、平成19年4月)をちらちら見る。「林哲夫さん」(5月15日分)や「南陀楼綾繁さん」らが紹介していた本だね。 岡崎武志さん、南陀楼さんの他、あじましでお、唐沢俊…

オタどん、書物奉行氏にかわされる

ゴーン。四天王寺の北鐘堂の鐘が鳴っている。既に、シートをめくり、開店している店もあるようだ。 しかし、100円均一コーナーはブルーシートに覆われていた。アナウンスをしている。 「均一コーナーは10時開店の時間厳守です。奥のシートからめくって行きま…

神保町ワンダーランドは売れない本の山

本好きの人にとっては、神保町全体がワンダーランドみたいなもの。そのワンダーランドを店名にした古書店がかつてあった。 1979年10月に開店しているが、開店まもないそのワンダーランドをma-tango氏は訪ねたことがあるという。さすが、あの『幻想文学』誌の…

日本古書通信社の謎

福島鑄郎『戦後雑誌発掘』中の「企業整備後の主要新事業体および吸収統合事業体一覧(昭和十九年三月二十一日現在)」に、 (株)南北社 中市弘 (統合参加社)甲鳥書林 天理時報社 朱雀書林 六甲書房 日本古書通信社 *(新事業体の担当部門)(一)文学(…

古本屋の丁稚も通った食道楽おとわ亭

「座談会 戦前古本屋の生活 修行時代の思い出」(『日本古書通信』平成6年4月号)によると、 −当時よく行かれた喫茶店や食堂の思い出は、 (略) 山田 万崎デパートの食堂、三省堂の食堂、おとわ亭、モーリ、それと爼橋を渡るけれど九段食堂という大衆食堂が…

帝大出の古本屋

帝大出身の古本屋というと、まずは反町茂雄が思い浮かぶ。岩波書店の創業者岩波茂雄も当初は古本屋だったので、この人も入ることになる。その他、赤門前にあった島崎書院の島崎八郎という人もそうらしい*1。 秋田雨雀の日記に出てくる次の人は誰のことだろう…

ロッパをアッと言わせる大森の黄鶴堂

大森の黄鶴堂という古書店はすごい店だったらしい。 『古川ロッパ昭和日記』によると、 昭和17年11月8日 一時おくれて新橋駅、正岡と待ち合せて、大森で下車。黄鶴堂といふ古本屋あり、入って一目見渡すと、アッと言ひたい程、文学本ばかり古書の山、約二時…

吉祥寺さかえ書房と金子光晴

『おに吉』に載っている吉祥寺の「さかえ書房」の広告には、「金子光晴の書による看板が目印」と書かれている。 『金子光晴全集」第15巻(中央公論社、昭和52年1月)所収の「日録(2)」*1を見ていたら、「さかえ書房」が出てきた。 某月某日 午後から吉祥…

中山忠直の暴走する妄想(その2)

中山忠直(中山啓)のSF詩『火星』*1に関する噂について書いた文献があった。 「昭和漢方の先駆者中山忠直」(『大塚敬節著作集』第1巻、春陽堂、昭和55年4月)によると、 この中山啓が自分の詩集を出版してくれといって、新潮社の玄関に、三日間坐り込んだ…

古本の女神に出逢ふ

書物奉行氏*1(以下「誰ぞ」という。ていうか、このブログで「誰ぞ」という場合は原則として同氏を指している)のマネをして夢ネタ。 気がつくと、ガレージの前にいた。古本に群がっているオジサンたち。それほど混んではいない。ざっと見て二階に上がると、…

早稲田一言堂の加納さん

次のようなメモが残っているのだが、出典がわからなくなってしまった。 「加納和弘 早稲田大学近くで一言堂という古本屋の店を開く」 向井透史『早稲田古本屋街』によると、『別冊太陽 早稲田百人』の「古本屋地図」に戦前の早稲田通り沿いの古本屋として「…

つかの間の池袋往来座モンパルナス

今から80年ほど前、池袋、板橋、練馬付近に若い芸術家たちが集まった。住人の一人である小熊秀雄は、この界隈の詩を詠んで「池袋モンパルナス」と名づけたという。今日明日と、その池袋には老若の古本者が集まるという。「第2回外市」、みんなで「外、行こ…

東京帝国大学附属図書館司書小山栄三

今はなき「ジュンク堂書店日記」2006年4月28日分によると、 東大附属図書館長姉崎正治と古野清人 「日本古書通信」の「徳永康元さん」(八木福次郎)で徳永が、東大図書館に一時勤めていたことや、岡正雄と古野清人によって昭和18年に設立された民族研究所…

『文献継承』を見ると・・・驚愕の事実が!?

『文献継承』*1なる小冊子が落ちていた。何気なく見てみると、ダレゾが「某図書館員」となっていた。「某」ではなく「元」ではなかったかすら。あやすぃだすね〜 *1:金沢文圃閣が発行するパンフ

安くはなかった明治堂

明治堂=雑書=安いというイメージがあるが、必ずしもそうではなかったようだ。 『吉野作造選集』第15巻(岩波書店、1996年10月)によると、 昭和7年2月24日 午後は大学、経済学部が明治堂から購入した明治思想史文献目録を借りて見る 猛雄君の蒐集品だ 主と…

一箱古本市で古本萌え〜

不忍ブックストリートにおける第4回一箱古本市で「工場萌え」、じゃなかった、「古本萌え〜」してきた。 まずは、退屈男氏に敬意を表すべく、オヨヨ書林へ。 オヨヨ、「いらっしゃいませー」という声が板についたこの人が神保町勤務の退屈男さんか。予想し…

宮本常一も寄り道していた小川書店

小川書店には、宮本常一も寄ったことがあったようだ。 宮本の日記によると、 昭和23年1月15日 市電市川橋で下車して小川書店へ寄る。柳田先生の『地名の研究』が出ているので買う。ほしい本もあるけれど高くて手が出ぬ。

岡本綺堂と小川書店

柳田國男と小川書店については、昨年の10月15日に言及したけれど、小川書店は岡本綺堂の日記にも登場してた。 大正12年12月3日 午後、十番を散歩。古河[ママ]橋の小川書店に立寄つて、古本八冊を買つてくる。大正12年12月15日 帰途、古河[ママ]橋の小川書店…

古本屋はなぜ潰れないのか?

山田真哉『食い逃げされてもバイトは雇うな』(光文社新書)を見る。 「古本屋はなぜ潰れないのか?」という一節があった。 ブックオフでのセドリの話まで出てくる。潰れない理由の解答は自分で立ち読みするか、購入して確認して。

宮本常一が愛した南田辺の「ベルグ書房」

宮本常一お気に入りの古本屋があったようだ。 宮本の日記によると、 昭和20年1月6日 大阪へかへり南田辺のベルク[ママ]へよつて見るとロシヤの小説集などなつかしいものが出てゐる。この本屋にはよいものがよく出る。思ひきつて小説類など沢山買ふ。 昭和20…

フルホン王子(別名セドリーマン)の行動を予測(その2)

5月4日〜6日までオールデイズクラブ(名古屋古書会館)というのもあった。 でも、入れようがないね・・・

フルホン王子(別名セドリーマン)の行動を予測(笑

4月27日 書窓展(東京古書会館) 28日 好書会(西部古書会館) 29日 一箱古本市(不忍通り) 30日 春の大古本祭(大阪市・四天王寺。最終日だが)に出現 5月 1日 春の古書大即売会(京都市・みやこめっせ)に出現 4日 ぐろりや会(東京古書会館…