2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧
昨年11月から12月にかけて、京都新聞の「ウは『京都』のウ」で4回連載(樺山聡記者)された藪田嘉一郎に関する記事には、度肝を抜かれた読者も多かっただろう。松本清張との交流に関しては平成16年北九州市立松本清張記念館の「松本清張『火の路』誕生秘話展」で紹…
京都新聞6月13日の「ミュージアムのちから コロナ禍に考える」10回(林屋祐子記者)は、京都外国語大学国際文化資料館であった。小原豊雲(1908-95)のコレクションと宮武辰夫(1892-1960)のコレクションを紹介。コレクションを引き取ることになった豊雲記念館の学…
2年前に百萬遍知恩寺秋の古本まつりで福田屋書店の200円均一コーナーからスクラップブックを購入。表紙に「白萩 香山」とあり、宮川香山と関係があるのかなと思って買ってみたが、関係なさそうだ。「藤井蔵書」と書かれた蔵書票が貼られていた。内容は、画報、美…
3月お誘いをいただいて、亡くなられた某先生の蔵書処分に参加した。ありがとうございました。先生と直接の面識はないが、退官記念シンポジウムを拝聴させていただいたし、横山茂雄さんや吉永進一さんの古本仲間であったので知り合いの知り合いということにな…
いよいよ暑くなってきて、8月の下鴨納涼古本まつりが近づいてきました。今年は無事開催されるか心配なところだが、関係者の皆様よろしくお願いします。 さて、2年前の下鴨で『崇信会と芦屋仏教会館のえにし』(芦屋仏教会館、昭和5年8月。以下「本書」という)を…
江馬務が主宰した風俗研究会(風俗研究所)の機関雑誌『風俗研究』はよく見かける雑誌で、私も 『風俗研究』138号(風俗研究所、昭和6年11月)で見る風俗研究会の二十年 - 神保町系オタオタ日記」で紹介した1冊を持っている。「妖怪の史的研究号」(20号,大正8年11月…
東京の古書会館の古本市には、戦前の文学・民俗・宗教等関係雑誌の端本が2、3百円で大量に出品されることも多いので、漁り甲斐がある。他の古本市では1冊ずつビニール袋に入れてそこそこの値段が付く雑誌も格安で出たりするのである。手元にある『民族文化』…
百万遍知恩寺の古本まつりで見つけた『会報』26号(三高同窓会、昭和39年)は、菊田太郎「仏教青年会の第二期」が載っているので購入*1。三高仏教青年会は3期に分かれるという。卒業年を補って要約すると、 ・第1期 北畠貞顕(明治26年卒) 下間空教(明治34年卒) …
善行堂で見つけた『伊那婦人』(伊那婦人社、大正11年3月)。30頁、1,000円だったか。国会図書館サーチでヒットせず、石川武美記念図書館のリストにもなく、所蔵している図書館はなさそうである。 目次も挙げておく。発行編集兼印刷人は、長野県下伊那郡山本村…
後に国際政経学会常務理事となる増田正雄が柳田国男の日記に出てくることは「結城禮一郎と柳田國男 - 神保町系オタオタ日記」で紹介したところである*1。その他戦前の各種の日記に名前を見つけることができるが、今回は伊藤隆・西尾林太郎が資料紹介した「水野…
明治新聞雑誌文庫は耐震改修工事で休館中。昭和2年2月に創立され、初代館長は穂積重遠、事務主任は宮武外骨であった。宮武は、23年近く勤めた文庫を昭和24年9月30日に退職。穂積の日記に、宮武の退職慰安会や記念会に関する記述があった。穂積重遠著・大村敦…
モダニズム詩人折戸彫夫の父でメソジスト派牧師だった金子白夢は、様々な雑誌に執筆をしていた。ヴォーリズや吉田悦蔵らが明治45年7月に創刊した『湖畔之声』(湖声社)の端本が東京古書会館に大量に出た時に拾った229号,昭和7年3月にも、「語られざる言葉」を執…
『小中村清矩日記』(汲古書院、平成22年7月)に大阪にあった古書肆鹿田松雲堂が出てくる。 (明治廿七年十月) 十一日 晴。 (略)午後石田来る。同道にて市中遊歩。鹿田といふ古本屋にて古書三四種求め、夫より書林松村行(これハ新刻本の問屋成)。(略) 国学者で…
今日が丸山薫の誕生日ということで、三高時代に同級生だった丸山と三好達治が話題になったようだ。同級生と言っても、丸山は大正10年入学で15年文科丙類卒業の5年がかり、三好は11年入学で14年文科丙類卒業である。「詩誌『骨』同人大浦幸男先生の父大浦八郎 …
最初の出版物批評の専門雑誌とされる『出版月評』は、明治20年8月から24年8月まで40冊刊行された。全冊の復刻版も出ているし、私が奈良の朝倉文庫(2月に閉店)で買った日本近代文学館編『復刻日本の雑誌』(講談社)による創刊号復刻版もある。『日本近代文学大…
『上方趣味』という雑誌が、大正4年4月から昭和17年1月まで刊行されていた。古本市でもよく見かけて、古書価も数千円位で高くはない。私は「趣味」は趣味だが、「上方」は好きではないので買ったことはない。発行年によって、和綴の袖珍本、横綴の枕本、四六判と…
『図書』平成31年1月号から連載の始まった山室信一「モダン語の地平から」が本年6月号で終了した。第1回には、別表として「モダン語」関係辞典が83冊、その他日中辞典が1冊、雑誌附録が8冊リストアップされている。山室氏は、「モダン語」を1910年代から30年代にか…
群馬県立土屋文明記念文学館が事前予約制ではあるが、再開して「文学と、草木染とーー山崎斌(あきら)のこころーー」展を開催中である。→「群馬県立土屋文明記念文学館」 斌は明治25年長野県生まれで、前橋市には大正8年の数ヶ月住んだだけだが、息子の山崎青樹は…
昭和15年3月斎藤隆夫は「反軍演説」を理由として、衆議院議員を除名される。その斎藤の日記『斎藤隆夫日記』(中央公論新社、平成21年11月)に大正10年における中村天風の統一哲医学会が出てくることは、 日記に見る戦前の中村天風 - 神保町系オタオタ日記」で紹…