神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『田中恭吉日記』にひそめる宮武辰夫

6月18日の地震では、オタどん邸の被害はほぼゼロでした。ほとんどの本は段ボールや衣装ケースに入れてあるか、床に積んであるので元々落下しようがない状態です。それでも、積んである本の上部が数ヶ所崩れていました。 さて、宮武辰夫という人物については…

竹久夢二と京都の同人雑誌『ひゞき』(響社)

文庫櫂だったか「たにまち月いち古書即売会」で唯書房から拾ったか判然としないが、昨年『ひゞき』*1創刊号(響社、大正7年2月)という京都の同人雑誌を購入。編輯兼発行者は京都市丸山吉水庵室の有田篤太郎、発行所は同吉水庵安養寺内の響社。「響社清規」に…

クライン文庫の古書目録『クラインの壺』

古書店も閉店するとすぐに忘れられてしまう。勿論例外的に伝説として残る古書店もあることにはあるが、極一部に限られる。大阪にあったクライン文庫も四天王寺の古本まつりなどででよく拾えた古書店ではあったが、閉店して数年たち、もはや話題になることも…

蔵書票コレクター原野賢吉

関西学院大学博物館では「ポスターでたどる戦前の新劇展」を7月21日(土)まで開催中。同博物館は瞠目すべき展覧会が多く、2015年10月19日-12月12日に開催された「蔵書票(本を彩る版画)を愛した男ーー蒐集家原野賢吉の軌跡ーー」も非常に良かった。関西学院大…

東洋民俗博物館の九十九豊勝と足立史談会の福島憲太郎

寸葉会*1で入手した九十九豊勝(奈良県生駒郡伏見村あやめ池畔)宛の年賀状。差出人は東京市足立区千住阿原町の福島憲太郎。昭和12年の年賀状で、裏面には「千住小板絵馬・丑」の字と黒い牛の版画が印刷されている。 九十九豊勝については、山口昌男『内田魯庵…

恩地孝四郎の父恩地轍と上田貞次郎の父上田章

『上田貞次郎日記 明治二十五年ーー三十七年』(上田貞次郎日記刊行会、昭和40年5月)に恩地孝四郎の父恩地轍が出てくる。 (明治三十年三月) 七日 日 旧藩主徳川侯祖先南竜公祭典に付、御殿へ参上、来客に接す。同公年々の祭典は恰も旧藩士諸氏の親睦を温むる…

発禁になったオッペケペー節ーー永嶺重敏『オッペケペー節と明治』(文春新書)を読んでーー

名著『の誕生』(日本エディタースクール出版部、平成16年3月)で知られる永嶺重敏氏の『オッペケペー節と明治』(文春新書、平成30年1月)を拝読。地方新聞掲載のオッペケペー節に関する記事を丹念に拾っていてさすが永嶺氏と唸らせるものがある。気付いたこと…

昭和6年の件名簿から見た岐阜県海津郡海西村役場の公文書管理

昨年知恩寺古本まつりでキクオ書店の和本一冊300円(?)コーナーで拾った岐阜県海津郡海西村(現海津市)役場の件名簿。件名簿というのは、役場で受信又は発信した文書について、番号を付与し記録するもので、役場の文書課のような所で管理したと思われる。本書…

『北方人』29号にかわじもとたか『続装丁家で探す本 追補・訂正版』の近刊案内

盛厚三氏より『北方人』29号(北方文学研究会)を御恵与いただきました。ありがとうございます。一時期休刊するとの噂もあったが、無理をされない範囲内で長く続けていただきたいものである。 目次は、 創作/御城前のおババ(三) 通雅彦 創作/陀羅尼助丸の秘…

大正9年大西洋上で日本人に渡されたスエデンボルグ著・鈴木大拙訳『天界と地獄』

昨年善行堂でスエデンボルグ著・鈴木貞太郎(大拙)訳の『天界と地獄』(英国倫敦スエデンボルグ協会、明治43年3月)を購入。善行堂にしては中々いい値段で何やら英文の書き込みもある*1し、講談社文芸文庫から安藤礼二氏の解説付きで刊行されているのでおまけし…

『二級河川』19号のトム・リバーフィールド「戦前の東京堂版『出版年鑑』に掲載された訃報一覧」

『二級河川』19号(金腐川宴游会)を御恵投いただきました。ありがとうございます。前号に続きゲーム特集で、そちらは関心がないが、リバーフィールド氏の労作「戦前の東京堂版『出版年鑑』に掲載された訃報一覧」を拝読。東京堂から発行*1された『出版年鑑』…