神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

昭和17年8月シンガポールで交錯したジャワ派遣の大木惇夫と日米交換船の鶴見和子・俊輔

書砦・梁山泊京都店で掘り出した(つもり)の『井上照丸追憶録』(井上照丸追憶記刊行会、昭和44年4月)。昭和43年4月に亡くなった元満鉄の調査マン井上の追悼本。わしは饅頭本が好きで、古本市などで面白いものを見つけると安ければ買ってしまう。ただ、饅頭本…

最初期の仏教唱歌集、西村義嶺編『仏教唱歌』(井上教山、明治23年9月)

三密堂の100円均一コーナーで何度か見かけて、どうしようと思っていたが、仏教唱歌集としては、古そうなので買ってみた。西村義嶺編『仏教唱歌』(井上教山、明治23年9月)。奥付を含めて11頁の小冊子。編輯者西村の住所は奈良県下大和国式下郡都村で、肩書は…

戦時下に蔵書目録を自費出版しちゃう慶應出身の阿部貢

阿部貢『道楽巡礼』(阿部貢、昭和19年10月)。限定版100部の内の第45部。これもリーチアートで。ん千円もして、何度か見送ったのだが、どこの図書館にもなさそう、戦時中の自費出版、愛書家の蔵書目録、うかうかしてると「ぬりえ屋」さんが買っちゃう、という…

青田寿美『蔵書印の話』を夢見る頃ーー小谷方明『蔵書印の話』を読んでーー

昨年移転した阪急古書のまちは、特にリーチアートが入りやすくなった。小谷方明『蔵書印の話』(和泉郷土文庫、昭和22年5月)はそこで見つけた一冊。国会図書館になし。 内容は、「日本の蔵書印」、「蔵書印の歴史」、「蔵書印の使ひ方」、「蔵書印文の種類」…

満洲の唐木順三とスメラ学の前波仲尾

古田晁と臼井吉見とともに昭和15年筑摩書房を創業した唐木順三の評伝である澤村修治『唐木順三ーーあめつちとともにーー』が、昨年ミネルヴァ書房から刊行された。読んでみると、トンデモネタがあって驚き。唐木は、昭和5年5月三木清の斡旋で満洲教育専門学…

山名文夫宛小山展司の年賀状ーー森山大道の師デザイナー小山展司とはーー

昨年の寸葉会で大豊作だった時に拾った一枚、200円。日本絵葉書会のお歴々は裏面の図柄をもっぱら見るようだが、絵葉書に限らず古本は人の見ない所を見なければいけない。本と本の間に挟まった背表紙にタイトルのない冊子とか足元の箱に無造作に放り込んであ…

『現代女流人物事典』(愛隆堂、昭和27年)から見た大橋鎮子

いつの古本市で拾ったか忘れてしまったが、『成功』特別増刊号『現代女流人物事典』(愛隆堂、昭和27年10月)を持っている。奥付の前の頁に「山根キク」が載っているので、おっと思って買ったのだろう。もっとも、皓星社の『日本人物情報大系』8巻として復刻さ…

高橋輝次様、『関西文学』を買ったのは実は私です。

善行堂で『ほんまに』19号特集「わたしたちの少女文化」を購入。高橋輝次「兵庫文芸史探検抄」を読んでいたらビックリ。昨年12月大阪古書会館で開催された「全大阪古書ブックフェア」での出来事として、 (略)書友O氏に声をかけられた。氏によれば、今回、池…

谷崎潤一郎が頼りにした京都の古書店京阪書房

谷崎潤一郎が命名した東一条の新刊書店春琴堂書店が3月末で閉店。さすが谷崎縁の店ということで谷崎のコーナーがあった。驚くことには、平成27年から29年にかけて刊行された『谷崎潤一郎全集』(中央公論新社)まで置いてあった。大書店でも置いてない方が多い…

『藻塩草ーー武富義夫さんのことーー』を羨む

昨年、中上彩子さんから『藻塩草ーー武富義夫さんのことーー』をいただき、ありがとうございました。61頁、非売品限定500部の冊子(造本は真田幸治氏)である。昨年亡くなられた武富義夫という著作権仲介エージェントの追悼本。目次は、 なかにし礼 武富義夫追…