神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2012-01-01から1年間の記事一覧

某公立中央図書館事件

『本の雑誌』平成9年3月号は、「この10年のSFはみんなクズだ!」特集。それで、私が買った最初の『本の雑誌』となった。それはともかく、同号の投稿欄「三角窓口」に、ある図書館員のお詫びが載っている。「12月号掲載の“極私的お願い”について」として、 図…

児童用機動戦士ガンダムトランプの逆襲

ロリコントランプを持っているだけで「トホホ」だったが、児童用ガンダムトランプも出現。 画像は御容赦いただくが、「ヤマザキ 機動戦士ガンダム 児童用トランプ」で紹介されている箱の表面の画像の左側にいるシャアとセイラがトランプの絵柄である。ただし…

考古学者森浩一の父森於莵次郎

森浩一『わが青春の考古学』(新潮文庫、平成14年10月)に小学校時代の話として、 父は当時、高島屋の図案部長をしていた。今日流にいうとデザイナーである。そのため画家たちとのつきあいも多く、普通の家庭よりは書物が多かった。 この父だが、昭和13年の…

風俗史家江馬務と荻山秀雄

花園大学歴史博物館で4月3日から6月16日まで開催された「風俗史家江馬務の見た明治・大正・昭和」展の解説付き資料叢書『江馬務『卅三年度江馬年中日記』『文科大学史学科三年史論』』(平成24年4月)を入手。『文科大学史学科三年史論』は京都帝国大学で教…

国文学界に黙殺された黒岩比佐子と小谷野敦

『出版ニュース』3月下旬号の小谷野敦「凍雲篩雪」に、 あるいは私は、『里見弓享伝』とか『久米正雄伝』とか、初めての伝記を出しているのだが、国文学の学術誌はみごとに黙殺である。私だけではなく、村井弦斎や国木田独歩の伝記を書き、若くして亡くなっ…

「スター・ウォーズ」の文字と呼ばれたマヤ文字

青山和夫『マヤ文明 密林に栄えた石器文化』(岩波新書)によると、 一九七〇年代末に、マヤ文字の不正確な解読によって、「古典期マヤ人は、金星の動きに合わせて、特に乾季に宵の明星として最初に昇る時に戦争を行った」という仮説が提唱された。この文字…

沼野充義がニコライ・レーリッヒを復権

沼野充義「ユーラシア文学宣言 ヨーロッパとアジアをつなぐ世界文学論は可能か?」『UP』9月号はニコライ・レーリッヒ(1874-1947)について、次のように書いている。 画家であり、中世スラヴ世界によく通じていた彼は、一九一三年ロシア・バレエ団による『…

岡正雄とアレクサンダー・スラヴィク

メモ:町田幸彦「デラシネ備忘録32」『未来』9月号は、「スラヴィク先生の回想」。1996年5月に行った元ウィーン大学教授アレクサンダー・スラヴィクへのインタビューの話。民族学者岡正雄にも若干言及。 ウィーン大学に再入学し、日本学の講座がないため中国…

断固伏字を取り締まるべし

ちょっと前にid:yukunoki-aたんが発見してくれたので、転載しちゃう。 2012-06-30 伏字の取締り? 1936(昭和11)年の新聞記事を調べていたら、こんな記事があった。圖書雑誌に惡用伏字へ検閲の眼 [9.9 名古屋新聞] 内務省では七日から全國特高課長會議を開…

「『食道楽』の人、村井弦斎」を見ちゃう、聴いちゃう、食べちゃう

8月4日(土)、5(日)アートガレーカグラザカで「黒岩比佐子の遺した「世界」 「『食道楽』の人、村井弦斎」を見て、聴いて、食べる」が開催されるという。詳しくは、「古書の森日記」(http://blog.livedoor.jp/hisako9618/lite/archives/52157371.html)…

本郷カフェー条項

斎藤光論文*1が出た後では、本郷カフェーについて語る意味も薄れた感があるが、とりあえず発見したことを報告しておこう。最近柏書房から刊行された芦田均日記だが、 明治38年2月6日 夕方前田中君と本郷カフエーに行く。 3月4日 帰つて本郷カツフエー行。 と…

大崎善生「赦しの鬼 団鬼六の生涯」(小説新潮連載)への補足

つぶやいてばかりで、こちらの更新を怠っていたが、たまにはアップ。 『小説新潮』連載の大崎善生「赦しの鬼 団鬼六の生涯」が完結。単行本化されると思うが、補足。同誌2011年7月号に また昭和を代表する詩人金子光晴の年表の中にも虎雄は登場する。 やはり…

安保闘争敗北が生んだ「上を向いて歩こう」

笹本恒子写真・文『恒子の昭和 日本初の女性報道写真家が撮影した人と出来事』(小学館)の紹介が、『本の窓』7月号に載っている。 彼女がこの春、ラジオ番組『永六輔 その新世界』にゲストとして出演したときに、永さんがそのいきさつを話されたのです。き…

『SFイズム』創刊号の「なにがなんでも山田正紀」特集

『SFイズム』創刊号、1981年5月は、「なにがなんでも山田正紀」特集。目次は、 山田正紀をえいと斬る 山田正紀に関するパラドックス的考察 飯田耕一郎 山田正紀様、好きだから言わせてもらいます。 原絵利須 何が何でも山田正紀を全て受け入れるぞ 村上敬司 …

みのり書房の小柳くんと亀和田武

亀和田武氏が『本の窓』に連載している「60年代ポップ少年」が面白い。7月号第13回は「新宿風月堂でお喋りしていたら→二人とも三流マンガ誌の編集者になっていた」。 マニア垂涎のコレクター本である貸本マンガ誌『刑事』(東京トップ社)が、なぜ私の机の上…

書物蔵『大東亜図書館学』(トマソン社)刊行??

トマソン社が、社運を賭けて初の単行本を刊行するようだ。社長松田友泉氏と親しい書物蔵氏執筆の『大東亜図書館学』である。金沢文圃閣の『文献継承』に連載された「あったかもしれない大東亜図書館学」に加筆訂正の上、「大東亜図書館学序論」が書き下ろさ…

オカルト少年大瀧啓裕の誕生

大瀧啓裕「大ロマン全集について」(高井信『〈世界大ロマン全集〉解説総目録』)に、大瀧氏と東京創元社の世界推理小説全集*1との出会いが書かれている。講談社の少年少女世界文学全集全50巻を読破した小学六年生の大瀧氏は、次に集英社の全集か、平凡社の…

問題作家山田正紀の昭和52年

昭和52年8月開催のHINCONの記録『第16回日本SF大会HINCON公式レポート』(昭和53年8月、発行人門倉純一、編集人山岡謙一)で山田正紀氏関係の記録を見てみよう。・「来賓あいさつ」 ○横田順彌 今回のSF大会は、大変私にとって参考になりました。SFというのは…

堺利彦外伝

平野威馬雄『アウトロウ半歴史』(話の特集、昭和53年7月)は買った覚えがなかったが、蔵書中に発見。平野の上智大学の学生時代に堺利彦が出てくる。 この大学のすぐ横に、当時の所謂危険思想の大家堺枯川(利彦)氏の家があって、真柄ちゃんという娘さんが…

小松左京『日本沈没』第二部の真相

小松左京研究会の会誌『臥猪庵通信』2巻5号、1980年1月の「臥猪庵ジグソーパズル」第4回は、62年光文社入社後、『マイホーム』、『女性自身』、『少年』を担当し、67年からカッパ・ノベルス編集部に異動し、小松左京の四人目の担当となった濱井武氏がゲスト…

日本SFファンダムのH君

佐藤弘ニ氏のぐれん舎が1979年12月に発行した『PADOMA』10号に「無署名エッセイ」として、「ファンと礼儀ーー怒りをこめてーー またはイニシャル当てクイズ」が載っている。原宿で開かれた某SF作家ファンクラブの親睦宴会での事件だという 突然、 「おい。そ…

原田実と龍谷大学UFO超心理研究会コスモス

今日はUFOの日なので、それにちなんだ話題を。 『THE SORP '84』1号(1984年10月)という冊子が手元にある。SORP(Students' Organization for Research on Psiの略称)の発行。同会は、関西における超常現象研究の大学サークルの連合で、同誌はその論文集。…

SF界の書物蔵と館界の藤倉珊の二人

富士倉、じゃなかった、藤倉珊氏が余桁分彌名義で書いた『日本SFごでん誤伝』(TDSF叢書発行委員会、平成元年8月)が出てきた。ネットでも内容は読める。ただし、書名索引、人名索引、解説(瑣松作京)、藤倉氏の住所及び本名(?)が記載された発行所名を含…

五百木瓢亭ではなく、五百木飄亭なのだ

佐藤卓己先生が『波』4月号に書いた松本健一『昭和史を陰で動かした男 忘れられたアジテーター・五百木飄亭』(新潮選書)の書評によると、 だが、よほどの正岡子規ファンでもなければ、五百木良三(飄亭)の名を覚えている人はいない。たとえば、ウェブ検索…

森まゆみさんのブログに神保町のオタどん

我がyukunoki嬢の情報によると、森まゆみさんのブログ「くまのかたこと」にわすのブログが出てくるらしいので、見てみると、 神保町のブログを読んでいたら黒岩比佐子さんのことを何度も書いている方があった。 その蔵書はちゃんとしたところに収蔵されたと…

『文學界』7月号の安藤礼二論文にもオタどん

『文學界』7月号の安藤礼二「表現のゼロ地点へ 三島由紀夫、大江健三郎、村上春樹と神秘哲学」に、わすのことが出てくる。 それでは一体誰が谷崎に、神智学的かつ仏教的なスウェーデンボルグ神学を教授したのか。そこには複数のチャンネルが考えられる。神智…

編集者としての宍戸儀一

国会図書館で「宍戸儀一」を検索すると、宍戸儀一「編輯者のノート」『美術時代』2巻2号、昭和13年3月がヒットする。同一人物との確証はないが、詩人で文藝評論家の宍戸に編集者だった時期があるようだ。 なお、「首夏篇抄(歌)」『裸象』4巻7号、大正14年5…

小松左京と大正・昭和の挿絵画家

小松左京研究会の『臥猪庵通信』2巻1号、1979年8月から「臥猪庵通信ジグソーパズル」連載開始。編集者から見た小松左京像だが、第1回は、実業之日本社で『週刊小説』の編集をした後、集英社文庫の編集をしている三崎信一郎氏。最初にもらった原稿は『夜が明…

神となった山田正紀

『新刊展望』6月号の「読書日記」は、先月の山田正紀氏に続いて、山本幸久氏。 このコーナー、前回は山田正紀さんだったんですね。ぼくにとっては神様だ。『ファイナル・オペラ』(早川書房)はこれから読むのだが、そのつぎの作品『ふたり、幸村』(徳間書…

早川書房の親切な社員

『PADOMA』9号、1979年9月の神田由美子「SFと私」に、親切な早川書房の社員が出てくる。 今を去る一年ほど前のこと・・・。ちょうど私がSFファンを自認するはしりで、その頃、ハインラインに夢中になっていた。その日も渋谷の旭屋書店のハヤカワ文庫コーナー…