神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

SF同人誌『STAF』の歴史

保崎喜久男編集、カメ企画発行『STAF』3号、昭和55年8月は、よくわからない雑誌だが、捨てずに残っていた。巻頭は、新井素子「あ・ら・かると三品」。某君あたりは新井の作品に「キャー、キャー」言っていたが、私は新井の作風には馴染めず、著書は買ったこ…

山田正紀に出会える横浜の喫茶店

『新刊展望』5月号の「読書日記」に山田正紀氏が書いていた。 某月某日 本を読むのに、関内の「上島珈琲」がいいか、みなとみらいの「スターバックス」がいいか、これはいまの私にとって重要問題であって、とりわけ『音楽の科学』(河出書房新社)のような部…

芥川賞作家長嶋有の祖父長嶋長節

長嶋有氏は祖父長節について、『群像』2011年11月号の小説「スリーナインで大往生」で次のように書いている。 長節には三人の息子がいて、長男のヨツオは言語学の、次男のムツオは医学部の大学教授になった。三男で私の父のヤツオだけが古道具屋になった。 …

黒魔団怪人目録

倉太宇一*1編集代表、黒魔団編集局発行『CRYPT』5号、1975年3月の「黒魔団怪人目録」から引用。 腕時計を、常に3時間遅らせている人ーー波津博明 京都に住みながら、東京の人間より渋谷にくわしい人間ーー赤井敏夫 ポン引き見習いーー鈴木克昌 腹ちがい三兄…

とり・みきと『臥猪庵通信』

某君らと作った同人誌はさっぱり見つからないが、とり・みき氏(本名鳥越幹雄)が編集委員の一人だった時代の小松左京研究会の会誌『臥猪庵通信』(がちょあんつうしん)が出てきた。2巻1号(1979年8月)の事務局スタッフ紹介によると、 鳥越幹雄 二一歳 明…

展覧会の半券で見るオタどん

展覧会の半券はだいたい図録にはさんだつもりだったが、半券単独で残っていたのをニ十枚ほど発見。最近自分史ネタが多いが、これも記録しとこう。多分木股知史先生や林哲夫画伯も観覧されたものがあるだろう。 98年8月18日ー30日 親と子で見る浮世絵版画展 …

昭和56年の草津温泉SFカーニバル

真弓裕美子編集、昭和56年7月中部皆発行『中部皆』52号なるものもあった。ガリ版4頁。吉永孝弘「草津温泉SFカーニバル漫遊記」から引用しよう。 さる7月6日から12日まで一週間、群馬県草津温泉で開催された"SFカーニバル"に小生は12日の分に参加した。(略…

満洲日日新聞記者山田祥吉(その2)

豊田穣の伯父山田祥吉だが、大きな図書館で『新聞人名辞典』所収の『昭和三年版日本新聞年鑑』を見たら、生年が判明した。もっとも、yukunoki嬢に御教示された近デジで見られることを忘れていた。 山田祥吉 日本新聞社編輯大組。青森県。(明二七.八)生。…

1976年関西SF界の状況

関西海外SF研究会が発行した現代SF全集は全35巻と別巻としてSF講座を予定していたようだが、何巻発行されたのだろうか*1。私は、ニーヴン、ファーマー、ショウ/プリーストの三冊だけ持っている。特に11巻のニーヴンは愛読した覚えがある。同巻の月報(1976年…

ロリコントランプ発見!

ロリコントランプ(箱のイラスト吾妻ひでお)が出てきた。アニメージュ82年4月号の付録だったようだ。ほぇー、わしがアニメージュなんて買ってたんだ。クラリスさんは、エース四枚に配されている。これでポーカーをしたことがあるが「クラリスのスリーカード…

81年のオタどん

日記はつけていないが、1981年の記録が残っていた。誰ぞは、何をしていただらう。 7月14日 機動戦士ガンダム鑑賞 同月16日 ダーク・スター鑑賞 10月3日 スキャナーズ鑑賞 同月18日 エクスカリバー鑑賞 同月24日 遠野物語読書会 同月25日 2001年宇宙の旅鑑賞 …

松本清張以前のゾロアスター教日本伝来説

玉川信明『田村栄太郎』によると、田村に「天皇抹殺史」という遺稿があるが、内容の突飛さと天皇問題だけに、どの出版社もへっぴり腰になってしまって、刊行されなかったらしい。その遺稿の中で田村は、ゾロアスター教の日本伝来説を主張していた。 この書に…

満洲日日新聞記者山田祥吉

ある人物が戦前満洲にいたというだけで興味津々だが、その人が新聞記者で、小説を書いていたとか、作家豊田穣の伯父となると、詳しい経歴が知りたいものである。山田祥吉という人物のことだが、豊田の『松岡洋右 悲劇の外交官』下巻によると、 母の兄山田祥…

高井信編集・発行『〈世界大ロマン全集〉解説総目録』

昭和54年3月発行。付録の目次は、ネットで見られるが、厚木淳談の「〈世界大ロマン全集〉編集の想い出」が面白い。 一番頭にあったのは、戦前の改造社の世界大衆文学全集。それと、終戦後の小山書店の世界大衆小説全集。あのふたつが頭にあって、これらを踏…

中野股旅堂古書目録

股旅堂の古書目録第4号を以前daily-sumusが紹介していたが、第2号、2009年9月(表紙イラスト:田中六大)が手元に残っていた。「戦前戦後の性風俗資料、及びその周辺文化」*1の古本を多数掲載とある。誰ぞや森やうすけ氏あたりは全号持っていたりして*2。 …

黒岩比佐子蔵書が神奈川近代文学館へ

「古書の森日記」によると、黒岩比佐子さんの蔵書が神奈川近代文学館に寄贈されたとのこと。受け入れには、前館長の紀田順一郎氏の尽力もあったことだろう。蔵書が同館に納まればいいなとは、2011年2月7日にも書いたが、納まるべきところに納まってよかった…

ドン・ザッキーが空を飛んでいる

日本空飛ぶ円盤研究会機関紙『宇宙機』創刊号*1は、荒井欣一の五反田書房から1956年7月発行。復刻版を持っているので、所載の同年2月迄の入会者名簿を見ると、 都崎友雄 文京区高田老松町二五 書籍商 とあった。ドン・ザッキーが、日本空飛ぶ円盤研究会(JFS…

桜木紫乃「モノトーン」にTRC派遣の釧路図書館長登場

直木賞候補作家桜木紫乃さんといっても、「北方人」日記で名前を知ったくらいだが、『波』3月号から新連載「モノトーン」が始まった。図書館流通センターから派遣された館長が出てくる。 人口十八万人の釧路市が、文化の拠点として歴代図書館長に据えてきた…

高知SF研究会同人誌ヴェーダ

高知SF研究会の同人誌VEDA(ヴェーダ)第1巻第2号(編集代表吉永和哉*1、昭和53年7月)も蔵書の中に残っていた。巻頭は英保未来氏(大森望の本名)による創作短編「デイ・ドリーム」だが、出来はよくない*2。英保氏は、連載評論日本SF作家群像第一回「筒井康…

京都大学SF研究会の歴史

京都大学SF研究会については、ウィキペディアにも第三期以降の年表しかないので、第三期『中間子』復刊第一号掲載の「京大SF研略年表」から要約しておこう。 1965年9月 第一期京大SF研発足(創立者=三村三木夫、河田俊弘) 66年8月 中間子第一号刊行、タイ…

朝松健と赤井敏夫が創設した黒魔団の1976年10大ニュース

黒魔団から1976年12月に発行された『CRYPT』10号に挟み込まれた『だごん』?号に、「今年の10大事件発表!!ーー独善的文責不明の大発表ーー」が掲載されている。 1. 3月16日 CRYPTタイプ判#8HPL号発行。各界に大きな波紋を呼ぶ。 2. 4月10日 松井氏のお誕…

オタどんのせどり用メモ(ウソ)

『ビブリア古書堂ストーリーガイド』の「「ビブリア」を深く楽しむための古書豆知識」には、「稀覯本」、「アンカット」とともに「せどり屋」があがっていて、「古書店で安く本を仕入れ、高く転売する人たちのこと。由来は、背表紙を見て本を取る「背取り」…

青木まりこ現象あらため安田均現象

京都大学SF研究会(第三期)発行『中間子』復刊第1号(1981年4月)には安田均インタビュー「〓中間子の中ごろ〓」(インタビュー・構成英保未来)が掲載されている。 洋子(安田夫人) ほんと、この人古本屋さんに行くでしょ、それでええ本見つけると下痢す…