神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

小島威彦の弟小島秀雄海軍少将の経歴

小島威彦の弟秀雄については、「海軍少将小島秀雄」で紹介したが、『日独文化交流の史実』(財団法人日独協会、昭和49年3月)の「執筆者紹介」に詳しい軍歴が出ていた。 明治29年4月5日出生、海軍兵学校卒、独語専攻二ヶ年の後、独国留学(1923-25)海軍大学…

群馬県人田村栄太郎

玉川信明『田村栄太郎 反骨の民間史学者』を再読。 話が前後するが、田村は農民運動を調べ始めた最初の頃には、高崎から県庁所在地の前橋市立図書館に通っていた。ここに松平大和守の家の藩庁史料があって、その中に一揆史料も入っていたので貸してくれとい…

優秀な森やうすけさん

誰ぞの周辺ではとっくに話題になっていたと思うが、大屋幸世*1『近代日本文学への糸口』(日本古書通信社、2011年9月)の「あとがき」に森やうすけ氏が出てくる。 すると曾根さん*2が日本大学の大学院で指導し、現在はフリーの研究者である森洋介さんに、平…

日本電報通信社の切抜通信

軍人としての将来に懐疑的になった峯太郎は、新しい模索を始めた。日本電報通信社に宗教や文芸に関する切抜通信を依頼したのもその頃だったし、早稲田大学の文学講義録を求めたのもちょうどその時期からである。 上記は、尾崎秀樹『夢いまだ成らず 評伝山中…

超能力者山中峯太郎と観相家船井梅南

尾崎秀樹『夢いまだ成らず 評伝山中峯太郎』によると、山中は小さい時から透視力や予知能力を備えていた。そして、船井梅南に会ったことがあるという。 阿南の父は、大いに関心を示し、牛込に住む観相家の船井梅南を紹介してくれた。峯太郎と阿南は、この船…

神保町未来日記

2022年の神保町廻りを日記として書いたら、「書物蔵」氏は「2022年の書物蔵」を、「正式の証明」氏は「2022年春の神保町」で別バージョンを書いてくださりました。新神保町で私の好きなキッチン南海の盛り合わせは食べられるだろうか。 - 今日のNHK爆問学問…

続報:八重樫旱

八重樫旱については、「『婦人公論』編集長八重樫旱」に書いたが、尾崎秀樹『夢いまだ成らず 評伝山中峯太郎』にも出てきた。 普通社という出版社だ。この出版社の社長は八重樫旱といった。昭和初期に『婦人公論』の黄金時代をつくった名編集者である。八重…

詩人君本昌久の死

間島保夫『罹災日録』(間島一雄書店、平成9年9月)を掘り出したので、読んでいたら詩人の君本という人が出てきた。ちょうどdaily-sumusで話題にしている君本昌久だ。 平成7年2月15日 夜に入り、真野君が来る、神戸史学会代表の落合重信さんが亡くなったと大…

帝国図書館の生き字引鹿島則泰

篠田鑛造『明治開花綺談』の「牢内の阿辰弥太郎」に、帝国図書館の鹿島則泰が出てくる。 上野図書館の生字引といわれた鹿島則泰翁は、昭和十五年の春同館を勇退されたが、館内のあらゆる書籍に翁の呼吸のかからぬものはない。筆者はなにかにつけて翁をわずら…

2022年春、今日も今日とて神保町で古本道

2022年4月某日、今日も神保町を廻る。古書会館であきつ書店さん放出本にほくほくと気をよくした後は、ジュンク堂書店神保町店へ。相変わらず座り読みしている人が多い。ジュンク堂が進出したために、老舗の某書店が閉店となり、一部の愛書家の顰蹙を買ったが…

坪内祐三『探訪記者松崎天民』(筑摩書房)への補足を書く暇はないぞ

坪内祐三氏の『探訪記者松崎天民』(筑摩書房)をようやく入手。補足したい事が出てくるだろうが、多忙でそうもいかないので、天民に関する過去の記事をいくつか紹介するに留める。 211頁 『犯罪哀話』(佐藤出版部、大正5年)について、「するとある人から…

国会図書館の近代デジタルライブラリーも賢く使えば

NDLーOPACで「折戸彫夫」を検索しても、折戸の詩が収録されている『四国詩文学選』はヒットしないが、「電子図書館」の「近代デジタルライブラリー」の方で検索(「インターネットで画像閲覧可能な資料に限定する」のチェックをはずすこと)すると、ヒ…

国会図書館の「デジタル化資料(貴重書等)」のお得な使い方

国会図書館のホームページの「電子図書館」の「デジタル化資料(貴重書等)」で「森茉莉」を検索(「館内限定公開資料を含める」にチェック)すると、全集未収録エッセイがザクザク見つかる。ついでに、「平井金三」も検索すると、精神学院の『心の友』とい…

本屋舟

『季刊清水』32号、平成7年9月の「清水市も戸田書店も70周年」特集には元清水市立図書館長山梨治保による「回想記戸田書店との七十年」も掲載されていて、そこに本屋舟に関する記述がある。 もう一つ私の心に残る風景は、芝野信一郎さんの本宅前にある巴川べ…

中野與之助年譜

ネット上に三五教の開祖中野與之助の経歴が出ていないようなので、中野與之助『宇宙大精神』下巻(根上信、昭和34年9月改修參版)巻末の「中野與之助開祖年譜」から要約すると、 明治20年8月12日 静岡県焼津に生る 昭和4年 大本教に入信す 12年11月 長澤雄楯…