2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧
川西政明『新・日本文壇史第三巻 昭和文壇の形成』に、永井叔と倉田啓明が出てくる。 京都へ帰った(長谷川)泰子は叔の紹介で表現座へ加わった。表現座は京都帝国大学助教授でドイツ文学専攻の成瀬無極が主宰し、「死刑執行人の死」で知られる異端作家の倉…
黒岩比佐子さんは、2007年古書展で二冊の意外な本に出会ったという。一冊は、東京古書会館で見つけたクロポトキン著、幸徳秋水訳『麺麭の略取』。新渡戸稲造の『武士道』に偽装され、荒川義英の署名があったことなどについては、『パンとペン 社会主義者・堺…
昔の日記を発見。 2005年7月7日 あれは、いつ頃の出来事だったろうか。西部古書会館で、目は必死に古本の背表紙を追いながら、聞き耳を立てていた。レジの係員に文句を言っている人がいるようだ。どうやら、古書店が合同で発行している古書目録の送付先の住…
賀川豊彦の妻、賀川ハルの日記*1に江戸川乱歩夫人が出てくる。 昭和39年6月22日 帰途今井よね姉訪問。同家にて江戸川乱歩氏夫人に紹介さる。米国イエスの友会の招きを引き受けることを述ぶ。 乱歩は、翌40年7月28日に亡くなっている。夫人の平井隆(りう)の…
箱木一郎の名前は、有島武郎全集においても、見ることができる。 第15巻所収の「[住所録手帖]」には、 箱木一郎 神戸市荒田町二丁目267 五月三日 (午後七時) \五時迠ニ神戸ニ着クヿ (三ノ宮) Y.M.C.A Hall 同手帖には、沖野岩三郎の名もあり、住所…
誰ぞが昔いたのかいなかったのか知らないが、永田山の大きすぎる図書館の創立期から職員となり、法令議会資料課長、総務部長などを歴任し、ナンバー2にまでなった高橋徳三郎(1923−1997)という人がいる。日本図書館協会理事長も務めた人なので、館界では多…