神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

堺利彦と「例の会」

佐々木味津三が大正14年6月17日付読売新聞に書いた「新日本主義断片(上)」によると、 その頃吾々不逞日本人の間に、尤も中に支那人は二人、朝鮮人が一人交つてはゐたが、とにかく吾々不逞学生の間に、誰が名付親だつたか「例の会」といふ少しばかり穏やか…

もう一人いた、マルセル・モースの弟子

マルセル・モースの教えを受けたきだみのるは、モースの『贈与論』を昭和18年7月本名の山田吉彦名義で『太平洋民族の原始経済』として日光書院から刊行している。この日光書院からは、昭和21年に『祭−−本質と諸相』という本も刊行されている。執筆したのは、…

『日本出版文化史事典』(日外アソシエーツ)の誤植

『日本出版文化史事典』(日外アソシエーツ)をちょっこし見かけたら、こんな誤植があった。 誤 正 28・40頁「近時画報社」→「近事画報社」 41頁 「園芸画報社」・「演劇画報社」→「演芸画報社」 47頁 「婦人画法」 →「婦人画報」 53頁 「柳沼健介」 →「柳沼…

富士フイルム写真歴史博物館で「幕末・明治の寫眞師 内田九一」展

東京ミッドタウン内の富士フイルム写真歴史博物館で「幕末・明治の寫眞師 内田九一」展開催中。無料。日本写真史にも詳しかった黒岩さんだが、直接内田に言及したことはなかったかな。開催期間: 第1部 風景編Ⅰ 2011年3月1日(火)〜2011年4月28日(木) 第2…

黒岩比佐子さんとヘレン・ケラー

3月13日(日)の22:00〜に、NHK教育テレビのETV特集で「思い出の街が甦る〜写真家・井上孝治の世界〜」が放送されるとのこと。黒岩比佐子さんは、次作としてヘレン・ケラーの評伝を考えていたとされるが、デビュー作『音のない記憶 ろうあの天才写真…

神戸ファッション美術館で「グレゴリ青山のモダン画廊」

神戸ファッション美術館で4月3日(日)まで開催中の特別展示「あぁ!美しきモダーンズ―東西新世代女性たちの装い―」と併せて、「グレゴリ青山のモダン画廊」も開催中。 本展のポスター・イラストレーションを描いた、漫画家・グレゴリ青山さんのプライベート…

興亜院時代の志智嘉九郎と呉清源・小田秀人の世界紅卍字会訪問

呉清源『以文会友』に、呉と小田秀人の世界紅卍字会訪問が詳しく書かれていた。 第五局が始まる前の昭和十七年三月初め、私は小田秀人さんとともに、宗教上の用事でおよそ二か月にわたり、中国大陸と朝鮮を旅行した。旅行のおもな目的は大陸の紅卍を訪問し、…

「コレクション戦争×文学」(集英社)の第5巻『イマジネーションの戦争』

読売新聞で連載された「戦争文学はいま」第4回「SF・寓話にも伝える力」によると、集英社の「コレクション 戦争×文学」第5巻『イマジネーションの戦争』に収録されるのは、小松左京「春の軍隊」、安部公房「鉄砲屋」などという。小松左京の収録作品は、…

沖野岩三郎「其夜の話」に登場する泊鴎会のメンバー

沖野岩三郎の「其夜の話」*1は、有楽町の塩瀬本店の2階にあったカフェーユニオンで開催された怪談研究の小集会の話である。この会を泊鴎会のことと推定して、イニシャルが出てくる人物を特定してみたい。 M・・・心霊学叢書の執筆者で小説家とあるので、大…

秘められたフランス時代の岡本太郎

猫も杓子も岡本太郎という感じになってきたが、わしも岡本太郎ネタでいこう。 岡本は、昭和5年から15年にかけてフランスに滞在したが、外国人の画家や作家などとの交流については、回想を書いているが、日本人との交流については、ほとんど書いていない。そ…