神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

坪内祐三氏の「『東京の女』をめぐる謎」の質問に答える(つもりだった)

『ちくま』11月号の坪内祐三「[探訪記者松崎天民・第三部]8・『東京の女』をめぐる謎」には、次のように書かれている。 十数年前に私が作った松崎天民著作目録には、最初に『新聞記者修行』(明治四十三年有楽社)が載っていて、続いて『東京の女』(明治四…

エラ・ケートの英語の授業を受ける橋浦時雄

黒岩比佐子さんの『パンとペン』が『東京人』12月号の「今月の東京本」で紹介されていた。ところで、『パンとペン』で引用されている『橋浦時雄日記第一巻』を見てたら、エラ・ケート(平井満寿の夫ポール・ケートの母)と思われる人が出てきた。 明治42年…

平山鉄太郎『沖縄本礼賛』(ボーダー新書)

平山鉄太郎『沖縄本礼賛』(ボーダー新書)は、古本本なのだ。著者平山氏は、立川市で生まれ育ち、現在は国分寺市住む沖縄本コレクター。本書には、ささま書店(荻窪)や球陽書房(高円寺)が出てくる。掘り出した沖縄本を、BOOKSじのん(宜野湾市)の…

永井荷風を支えた通いのお手伝い福田とよ

永井荷風は、昭和34年4月30日没。晩年の荷風宅をしばしば訪れたのは小林修という青年であった。また、遺体の第一発見者は福田とよという通いのお手伝いであった。前者の小林については、川本三郎氏が2004年7月4日付日経新聞の「晩年の荷風と小林青年」*1で、…

佐野眞一『甘粕正彦 乱心の曠野』(新潮社)への補足

佐野眞一『甘粕正彦 乱心の曠野』(新潮社)が加筆の上、文庫化された。私が発見した補足については、「甘粕正彦と謎の心霊研究協会」(2008年8月14日)、「甘粕正彦の南洋行」(同年10月23日)参照。甘粕正彦 乱心の曠野 (新潮文庫)作者: 佐野眞一出版社/メ…

「誤訳家」三浦関造にクロポトキン自叙伝翻訳の先を越された大杉栄

大杉栄はクロポトキンの自叙伝の翻訳を『革命家の思出』として刊行しているが、三浦関造の方が先に翻訳している。三浦の翻訳については、大正4年9月21日付読売新聞の「豆えん筆」によると、 タゴールの誤訳家として知られた三浦関造君、新にクラポトキンの名…

売文の名にかくれたるお利口さ

黒岩比佐子さんの『パンとペン』350頁には売文社が学生の卒論の代作を引き受けていたことが尾崎士郎の小説によって示されている。森銑三によると、博士論文まで引き受けていた噂もあったようだ。森の『古い雑誌から』の「五 林若樹氏の川柳天の声」は、林が…