神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

女詩人としての山根菊子

『秋田雨雀日記』第2巻によれば、 昭和7年4月10日 夜−本郷の明治製菓で「詩と人生」「女詩人」の会へ出席、「ソヴェート文学」について話した。いい静かな会合で一時間ほど話した。二十五名ほどの若い詩人と十五、六名の女詩人が来ていた。消費組合に属して…

甲鳥書林の土橋利彦

斎藤茂吉の日記にも甲鳥書林が出てきた。 昭和17年2月3日 ○午前診療、来客石田徳太郎、土橋利彦 3月17日 ○来客、櫻井書店(中略)土橋利彦(甲鳥) 4月21日 ○来客、(中略)土橋利彦(甲鳥書林) 11月24日 ○来客第一書房斎藤春雄(中略)土橋利彦 19年12月11…

古川ロッパと麻雀をする市河彦太郎

晶文社から復刊された古川ロッパ昭和日記。なぜか市河彦太郎が登場。 昭和18年10月30日 今日は麻雀連中が十時から来る。市河彦太郎と本田一平・橘弘一郎。此の世の中に、此の時世に、充実した感じ、たんのうする感じは、これより他に求められまい。最初から…

朝倉無声と藤沢衛彦

坪内逍遥の日記*1によると、 大正15年10月23日 浅[ママ]倉無声、見世物写本藤沢へ民事の件 11月11日 藤沢衛彦来、「諸方見聞図会」を朝倉へ貸すこと異議なし 但し十二月末まで入用云々 11月13日 朝倉へ藤沢の件いひやる 藤沢衛彦(ふじさわもりひこ)は、『…

スメラ学塾再び

書物奉行氏がスメラ学塾の総括を試みてくれたので、久しぶりにスメラ学塾ネタ。 同塾関係者の唯一の生存者と思われる坂倉ユリの発言が、上坂冬子『愛と反逆の娘たち』(中公文庫、昭和58年3月)に記載されている。 「昭和二十三年五月、岐阜の主人の実家で生…

甲鳥書林の鈴木さん

野上彌生子の日記*1に甲鳥書林が出てきた。 昭和16年4月25日 朝甲鳥書林の鈴木氏来る。原稿を渡す。はじめは「叢林」とするつもりであつたが、それではあまり掻きあつめたものゝ気がする。をりから盛りの藤をおもひ、その一字を題にした。中川一政に表紙をた…

「茗和協会」と「大直会」

例のトンデモ日記(今のところ、タイトルは内緒)に次のような記述があった。 昭和19年10月18日 諸岡八時半ニ来訪、茗和協会ヲ組織シ、来ル二十日大東亜館ニテ発会式ヲ行フ為案内ニ来ル。 「二十日」でなくて、「二十一日」であれば、「茗和協会」改め「大直…

 黎明期の大東亜トンデモ学

戦時図書館運動(笑)、じゃなかった、黎明期の大東亜トンデモ学そのものと言うべき写真を発見! 「民族研究会創立当時の会員(大正13年)」なる写真だが、会員として、安江仙弘、中岡彌高(後に皇戦会理事長)がいる他、酒井勝軍に、何と安岡正篤までが・・…

 「図書群」に選ばれた諸岡存の著作

『出版文化人名辞典』第1巻*1の「現代執筆家一覧」によると、 諸岡存(モロヲカタモツ)明一二生、渋谷区金王町七五 出生:佐賀 出身校科名:九大医学、医博、職歴:九大助教授、駒大教授、現職:医師 所属団体:興亜同名[ママ]協議員、禁酒同盟理事 著書の…