神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2005-12-29から1日間の記事一覧

岩波新書『宣教師ニコライと明治日本』(中村健之介著)から

「ケーベル教授が来た。かれはロシアからアウグスチヌス、 ジュコフスキーその他の本を取り寄せている。ところで、かれ の話によれば、三年前大学に着任したときは、学生たちはスペ ンサーとダーウィンに夢中になっていたのだが、いまはスペンサー やダーウ…

『退読書歴』(柳田國男著)から

日本に唯一つの国立図書館、しかも帝都の大公園と併存する図書館 の中にも、駆除し難い悪者が折々潜入し、珍書を借りて蔵書印 を切とったり、又アート版の一枚を破って持ち帰ったりする。 それは国人共同の恥でもあり、同時に学問其ものの不名誉でも あるが…

 『長與又郎日記』(小高健編)から

昭和13年7月2日 紙上伝うる所によれば、清野は神護寺その他より多数の国宝級 の経巻を盗出したる由なり。近来貴重なる経巻の蒐集に熱中し 居たるは、先般京都に赴きし際承知、その一、二は自分も見たる ことあり。(中略) 同氏亦、多年写経に熱中し、近…

中公文庫『書物航游』(平澤一著)から

Kが戦前、北京を訪れた時、故宮を案内した当時の留学生から、陳列 されている物を平然とポケットに入れるので、同じ大学の長老教授 でもあり、注意するわけにもいかず、ほとほと困惑したという話を 聞いたことがあります。

 『田中秀央 近代西洋学の黎明』(菅原憲二・飯塚一幸・西山伸編)から

ところで佐野眞一『旅する巨人−宮本常一と渋沢敬三』(中略)、 『渋沢家三代』(中略)が明らかにしたところによれば、渋沢家は 当時、嫡男篤二が妻敦子を家に置いて芸者玉蝶と同居、周囲の度重 なる説得にも応じなかったために、1912年1月28日、栄…

再び都丸書店

このようにして健康に恵まれているために、どこの古書展にもよく出かけているが、なかでも高円寺の古書展の時には朝早く眼がさめる。 ここにきて、かならず立寄るのは高円寺駅そばの都丸書店だが、社会科学・経済学書などが豊富にある本店でなく、人文科学が…